1、始動



作・igniter


タラ=ペニー。通称ペニ-は地球のスマバラ基地で雑用をしていた。
ペニーは開戦時にコスモ軍の地球侵攻及び軍・政府関係施設破壊作戦[シュール作戦]で両親を失っていた。
コスモ軍に復讐する。
そのために基地にいたがそうそう巧くいくものではなかった。


シュール作戦から一ヵ月後
今宵は新月であった。
基地に忍び寄る人影が3つ。
いや人ではない。
それは宇宙からきた巨人だった。
それを知らない人々は静かに眠っていた。
ズドォォォン
激しい爆音と共に静寂は破られ基地は燃え上がった。
巨人の正体はコスモ軍の人型起動兵器タサップだ。
10b超。濃緑色。一つ目。
それらは基地を破壊し何かを探していた。
それは地球軍の新型MSであった。
そのころペニーは必死で逃げていた。
生きるため、目的を成し遂げるまで死ぬ訳にはいかなかった。
「こんなところに地下室が」
ペニーはそこに入った。
そこは見たこともない場所だった。
「B」と呼ばれるMSはそこに在った。
ペニーは躊躇しながらも乗り込んだ。
「これで戦ってやるぅ!」
ペニーは半泣きだ。
「B」はピクリとも動かない。
「クッ、動いてくれェ」
「ピーッ…Bシステム、スタンバイ……OK」
次の瞬間「B」は目の部分が淡く緑に輝き立ち上がった。
襲い掛かる巨人。
「武器はあるの…?60mmバルカン!これだけ!?」
ペニーはそう言いながらも使った。
ダダダ…
タサップには歯が立たなかった。
タサップは右腕に持つ120mm重機銃をペニーに向けそのトリガーを引いた。
音速をこえる鉄の塊が一直線にペニーに迫る。
次の瞬間弾丸は命中した。
「B」は白煙に包まれた。
しかし「B」は無傷、ペニーは生きていた!
MINE(MetalicーImpulseーextiNctionーpErfectly:金属的衝撃完全吸収)装甲である。
「なんだ、きいていないじゃん」
少し安心した。
「だがこちらの攻撃も効かない…それなら!」
ペニーは左スティックを前に倒した。
スラスター全開。
「ウオォォォ、Bパァーンチッ!!」
ズガァァン…
ペニーの必死の突撃だった。
タサップの濃緑のボディに穴が開いた。
「B」の右腕はビーム粒子に包まれていたのだ。
タサップは数秒後爆発し、ただの鉄塊へとその姿を変えた。
ペニーはそれに人がのっていたことを思い出す。
とたんに人を殺した罪悪感と一種の快感を覚えた
「ハハッ…ハハハッ…」
ペニーの頬には喜び、悲しみ、憎しみ…さまざまな思いの混ざった雫が流れていた。
残った2機のタサップは「B」の性能を確認し撤退を始めた。
「テンツ隊長、これでヘルプ・スマバラ作戦は成功ですね」
「あぁ、これほどのMSを作るとはな、地球軍め!」
コスモ軍の[真紅の悪魔]は帰投していった。
ペニーは辺りを見渡すと住み慣れたスマバラ基地は壊滅していた…。
あちこちで火が燃える。たくさんの人名が失われた。
ペニーはしばらくの間呆然としていた。
これからペニーはどうするのか考えた。
いや、その必要は無かった。
生きる。
両親、スマバラ基地の人、コスモ軍に殺された人、仲間たち。その復讐を果たすために…。
ペニーは「B」で戦うことをスマバラの朝日に誓った。


第一話「起動」〜終〜


次回予告
恐怖と混沌に包まれ燃えるスマバラ。
そこに復讐に燃える一人の少年。まだ幼き少年は戦うことを決意する。
次回「機動戦士Bバンバム」
第二話「飛翔」
その心、大空へ飛び立てBバンバム!!





戻る